とある大手インターネットショッピングサイトを運営することで知られる企業が、社内公用語を英語にすると宣言したのは2010年のことでした。
当時は業界の枠を超えた大きな話題となり、あれから9年、2019年の現在において、社内に英語化の浸透は着実に広まっています。企業のあり方としても、しっかりとした世界を見据えた経営戦略が英語化によって大きく後ろ盾になっていることは間違いないと言えるでしょう。
そこで近年、英語を習得するために、最も近道と言われる、身近な制度となった留学についてまとめてみます。
先に申したような企業は、表立って大きく報道されていないだけで、もしかしたらあなたが希望している企業もそうかもしれませんよね。
それを差し引いても、ビジネスにおいての英語の重要性は、このカンタンに世界と繋がれるインターネット社会によって説得力のあるものとなってきています。
そのため、語学のスキルアップ=留学というのは、一度は頭に浮かぶものではないでしょうか?
また、語学習得意外にも海外留学の目的は人それぞれです。
留学目的は実は多様な考え方がある!書類申請にも必要な留学理由
冒頭でお話したような語学スキルのための留学は、実は世間では留学理由の一要素にしかすぎません。
それだけ留学にて得られるものは多岐にわたり、私たちを成長させてくれるものです。主にどのような目的で、私たちは留学を手段として活用することが出来るのでしょうか?
(1)母国語以外を学べる
一番端的な目的とも言えるでしょう。海外に身を置くことで母国にいるより多くの新しい言葉に触れることが出来ますね。
ひと口に語学を学ぶといっても、それが目的の上位であるかないかで学び方も変わります。例えば、一番に優先順位をもってきたのが語学留学ですが、現地の語学学校などに通うとなれば、クラスメイトは同じく語学を学びにきたその土地の外の言語を母国語としている人たちです。
最初に自分のレベルにあったクラスに分けられ、その言語に自信がなくてもクラスメイトと共に肩を並べて学んでいくことが出来ます。ネイティブなものは学校を離れて実生活で実践!という感じでしょうか。
そして、大学などの学部留学として学ぶ場合は、その専門の学問の知識を学ぶ上で語学を習得するということになります。知識を同時に得ながら、一方で、事前にある程度の語学力がなくては学問にも現地のネイティブにもついていけず苦しい結果となります。ただ外国にいるだけで語学は得られるものではないのです。より高度で専門的に語学を学べるといった感じでしょうか。
(2)海外の教育を受けて学ぶため
1の後半部分に重なる部分にもなりますが、日本で受けられる教育とはまた異なったかたちでの学問を学ぶ機会を得るという目的もあります。
学問を学びながら語学を習得するのとは微妙に違い、その国の教育スタイルに身を置くことを重視した目的のあり方になります。
例えば、一般的に日本では皆机を並べて講師とテキストを相手に学ぶものですが、海外では生徒間のディスカッションを主として答えを導き出したり、そもそも活動主体であったりと国の数ほどそのスタイルはさまざまと言えます。
(3)海外での暮らしを経験し国際的感覚を身につけるため
語学云々の前に漠然と願望として誰しも考えることではないでしょうか。ですがそれも馬鹿にはできず、観光として訪れるのとは違う、その国の生活を知ることが出来、日本では経験しえない体験やハプニングなどで語学も行動力も思考力も新しい人間としてのスキルアップとして成長することが出来ます。
また、この目的の場合、ルームシェアやホームステイなどを利用する場合も多いでしょう。そんな中で、自分も外国人であることで、様々な偏見意識が無くなったり、習慣の違いを学んだり、国際社会において自分の立ち居振る舞いを考える第一歩となります。
国籍の違う人との友情も芽生えることでしょう。帰国後の自分の仕事に活かせる力もつくことでしょう。経験と知識を吸収することで、視野も大きく広がる・・・そんなことも期待できます。
(4)自分を見つめ直す機会をつくるため
なにも必ずビジョンがあって留学するばかりではありません。自分の次なる目的・目標を得るために留学という道を選択することもあります。
それによって、自分にポジティブな確固たる自信を得ることも出来ます。新しい価値観や考え方に触れ、柔軟性ある思考と行動力を身に付けると同時に、慣れない環境下でうまくいかないこともトラブルも乗り越えられた経験が自信となって、今後の自分への糧を得てステップアップのための目標について未来をじっくり考えることが出来ますよね。
人気の留学先は?期間はどのくらいにしよう?
あなたの思いに重なる目的は明確に見えてきたでしょうか?
留学をしっかりと力に変えるためには目標をハッキリとさせ、見失うことのないようにするのが大切です。
また、留学を申し込む際などに書類に目的を記入する場合もあるので、考えを固めておくのがベストです。
意志が決まったら、では具体的にどれだけの期間、どんな国を選択するのがいいのでしょうか?
今回は例として、語学留学を目的とした場合の英語圏である人気留学先をピックアップしてみます。
アメリカ
昔から夢を大きく広げる場所というイメージのあるアメリカ。
メリット:多くの教育機関があるため学問を幅広い中から選び、学校もバリエーション豊か。留学生サポートも充実したところが多い。
デメリット:留学費用が高く、ワーキングホリデー制度がないため費用の確保が難しい。
カナダ
移民の多い国でそれぞれの文化の共存した住みやすいカナダ。
メリット:アメリカに比べ物価が安い。癖の少ない英語を学べる。
デメリット:人気であるがゆえに日本人が多く、甘えがち。寒さが厳しく冬が長い。
イギリス
英語発祥の地で質の高い教育と最先端の文化や芸術に触れるイギリス。
メリット:上記2国に比べ日本語の聞こえてくる環境は少なく、本場の英語を学べる。気軽に近隣ヨーロッパ諸国へも行ける。
デメリット:有名都市は物価が高い。主に日本で学ぶアメリカ英語と発音や単語選びが違う。
主な3つの国を挙げたところで、今回はより語学を集中して学べる「イギリス」に注目してみましょう。
イギリス留学のデメリットに物価が高いことを挙げました。ですが、日本人である私たちにはうまく対策できる可能性があります。
それは、物価の安い郊外を選択したり、高い交通機関も工夫次第で安く利用できること。東京や大阪などの都市を抱える日本では、ごく当たり前に行う対策ですよね。
次に留学期間ですが、学問を優先とした留学の場合、イギリスの大学の多くは3年で卒業でき、大学院も最短1年ですから、他国に比べ短縮できます。
語学留学については、しっかりと英語力を身に付けるなら半年~1年が一般的だそうです。夏休みや就職内定後の卒業までの期間などを利用した短期も可能ですし、予算に合わせた期間でも可能ですが、半年以下の場合効果的かと言えば難しいところです。
費用はもちろんレートにもよりますが、例として学費にホームステイと食費等を合わせて語学習得におススメな半年以上を設定した場合、100万から150万と言われています。高額に感じられるかもしれませんが、日本人も多いカナダやアメリカに比べたら濃縮された語学の期間となるのではないでしょうか。
また先にも述べたように、郊外と大都市では1.5倍程度の費用の差があるようです。
いざ、留学へ!留学先を探すには
留学先を探すには、そういったサポートサイトの手軽な利用から、専門カウンセリングによって希望にあったかたちを見つけたり、エージェントを利用して探してもらうことも出来ます。留学相談会が各地で開催されていることもあります。
また、奨学金制度も利用できる場合があるので、まずは外務省の海外留学案内ページ(https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/culture/hito/ryu/ryuugakuannai/index.html)や、文部科学省のトビタテ!留学JAPAN(https://tobitate.mext.go.jp/)、イベント・説明会・留学フェアなども開催運営している日本学生支援機構(JASSO)の海外留学支援サイト(https://ryugaku.jasso.go.jp/)で基本的な情報を確認してみることをおススメします。
まとめ
今回のまとめは、留学を考えるにおいて必要で安心な手順でご紹介してきました。
留学の目的を明確にし、その最大の目的に合った国を設定し、期間や費用を考慮した自分なりのプランを立ててみることが先決です。
実際に留学となれば、必要な手続きは行先によって違います。支援する国のホームページや公的機関を活用しながら、自分にあった学びを習得してくださいね。